Bリーグ 2017-18 開幕戦

第9回目。

今シーズンも息子やその友だちたちと一緒にBリーグ開幕戦に行ってきた。応援している京都ハンナリーズと三遠ネオフェニックスの一戦。京都ハンナリーズは、新加入の選手が7名と多く、またその陣容は、昨シーズンと比較して期待できるもので、どんなチームになっているのかワクワクフルフルしながら、選手名鑑も違う出版社のものを計4冊も購入するなど完全に無駄な出費をして(全然読めていない)開幕戦を待ちわびていた。三遠ネオフェニックスには、昨シーズンまで京都ハンナリーズにいた川嶋勇人がいるので、そこも楽しみの一つとして。

息子のバスケの練習時間の都合で、少し試合開始に間に合わなかったのだが、会場から「わあっ」という声援がもれ聞こえてくるので、子どもたちも気が焦ってきて、釣られて私も気持ち早歩きになる。会場に入ると、物凄い声援で、会場中に応援の声や拍手が響いている。席は、せっかくの開幕戦なので、目の前で選手が躍動する姿を子どもたちにみせたい一心で、思い切ってコートからすぐの席を購入した。

今シーズンの京都ハンナリーズの戦術や戦略を、じっくりと観察しようと思っていたが、選手の体のぶつかり合いや高い技術に感動して、戦術の事をすっかり忘れて、中学生の時にNBAを初めて見た時のような気持ちで純粋に見入っていた。子どもたちも、観客と一緒になって三遠ネオフェニックスの選手のフリースローに対して大声でブーイング。選手のワンプレーワンプレーにかっこいいな~とか、上手いな~、こんなに体当てているのか~など、目の前で繰り広げられる筋肉質の戦いに、プロスポーツの醍醐味を感じながら一緒に観戦した。

昨シーズンの開幕戦も生観戦をして大いに楽しんだのだが、昨シーズンの京都ハンナリーズは、チャレンジャーとしての楽しみが中心だった。平均年齢が30歳を超え、お世辞にも選手層が厚いとは言えない部分をチーム力でカバーし、アルバルク東京栃木ブレックスなどの強豪チームを倒した時の爽快感がたまらないというようなチームだった。今シーズンも、まだまだどのようなシーズンになるのかは分からないが、元川崎ブレイブサンダースの日本代表候補である永吉佑也の加入もあり、チームとしての格がなんとなく上がっているように感じた。バスケットボールをしている人なら分かってもらえると思うが、チームの雰囲気で、試合をする前から自然と圧を感じる相手とそうでない相手がいる。昨シーズンの京都ハンナリーズは、強豪チームからすると、やはりくみし易いチームの一つであったのは間違いない。現にシーホース三河には勝てる気がしなかった。初戦を観る限り今シーズンは、そういった印象は減っているように思う。今シーズンは、昨シーズンのように強豪相手に虚をつくようなゲームで勝つという試合は減っていって、ガチンコの勝負相手とみなされていくのではないかと期待したいと思う。ただ、三遠ネオフェニックスには、昨シーズン主力として活躍したPFのロバート・ドジャーと元NBAプレーヤーのSG、カルティエ・マーティンの外国籍選手2人がベンチにもおらず、その部分は差し引いて考えないと、と言い聞かせているのだが、どうしても初戦で18点も差がつくと期待してしまう。 

京都ハンナリーズは、洛南高校出身で東海大学で学生ナンバーワンPGとも称されていたルーキーの伊藤達哉がフィットしている印象で、三遠ネオフェニックスの鈴木達也が激しくディフェンスで当たりにいっても、ハンドリングよく巧みにキープし、なおかつ隙があればドライブを繰り出していた。ディフェンスも試合を通して激しく当りにいっていて、2戦目ではルーズボールに飛び込んでいき、ジュリアン・マブンガや片岡大晴が、すぐに駆けつけて手を差し伸べ、チームに勢いを与えてくれるプレイヤーになっている。

ジュリアン・マブンガは、昨シーズンは滋賀レイクスターズに所属しておりBリーグ得点ランキング3位だった点取り屋だが、昨シーズン終盤に京都ハンナリーズに移籍してきたモー・チャーロが、京都ハンナリーズのボールを動かす戦術にあまりフィットしなかった事もあり、同じような事にならないかと危惧していたが、この日は球離れもよく、アシストを中心としたバスケをしていて、チームの方向性を理解してプレーしているのが良く分かった試合だった。時にはPGとしてボール運びも行い、そのポジションに身体能力の高い外国籍選手がいる事のメリットも感じられた。

それを可能にしているのが永吉佑也やジョシュア・スミスというインサイド陣。永吉佑也の、太田敦也やスコット・モリソンとのゴール下のポジション争いは、間近で見ると、かなり激しいもので、日本人で外国籍選手相手にガチンコで勝負できる存在がいるのは大きいなと。そしてスリーポイントを第3ピリオドに沈めたシーンでは、マッチアップのスコット・モリソンがインサイドのジュリアン・マブンガをケアするためにアウトサイドまで守りに行けず、また伊藤達哉もそこに気づいて中に切れ込みスペースを作って打ったスリーポイントで、永吉佑也の新たなプレーをチームとして引き出そうと意図されたプレーだった。

ゴール下には、ジョシュア・スミスという公称208センチ、138キロ(2試合目の会見で150キロとカミングアウト)がおり、その大きな体は子どもたちも大喜び。試合後にハイタッチした時に、あまりに大きくて子どもたちは帰りの道中でもまだ、ジョシュア・スミスの体の大きさを話していた。

片山大晴は期待以上で、安定感があり、ディフェンス・オフェンス共に激しく、ソルジャーのニックネーム通りの選手で、試合中にハドルを組んだり、声を積極的にかけているのも好印象だった。晴山ケビンは、ゴール下でティップアウトなどリバウンドに絡んでくる選手で、今までなかなか取れなかったリバウンドが、ジョシュア・スミスを含めた外国籍選手や永吉佑也と共にSFに晴山ケビンが入れることで、昨シーズンよりも計算出来るようになった印象だ。綿貫瞬は、PGとして無難に繋いでいた。昨シーズンからいる岡田優介も高確率で外角を決めていて、インサイドが安定することでスペースを有効に使えているのかもしれない。マーカス・ダブはさすがのプレーで、初戦から伊藤達哉やジュリアン・マブンガとの合わせも良く決まっていた。内海慎吾は、昨年のようにPFのポジションに入ることは無くなるので、本来の2番3番でのプレーに専念できる。坂東拓と頓宮裕人は、気負いからか少し硬さが見られたが、ベンチで大声で鼓舞している様子を見ていると、やはり出場してきた時には、自然と大きな拍手を送りたくなる。

三遠ネオフェニックスで目を引いたのは、やっぱり川嶋勇人だった。川嶋勇人は、東山高校出身で関西学院大学の時は、センスだけで勝負して試合を支配できてしまうような選手で、スピードは無いように見えるのだが、アシストやドライブを独特のリズムで繰り出し、関西学生リーグでは、目立つ存在だった。卒業後、日立サンロッカーズに入団し、そのセンスがどこまで通用するかと興味があったが、やはりセンスに頼るプレーの限界のなのか、スピードやパワーで見劣りするように感じ、出番はあまりなかった。昨シーズン、京都ハンナリーズに移籍してきて、最初は同じような印象だったが、途中からディフェンスを頑張るようになり、ルーズボールなども追いかけ、大学時代の優雅なプレーに固執しないような印象になってから、徐々にプレータイムを勝ち取り、終盤は1番から4番までこなすような、なくてはならない選手になっていた。この日は、その泥臭いプレーもあるが、そこに大学時代のセンスあるプレーも随所に出ていて、三遠ネオフェニックスの中で数少ない自らドライブをしかけたり、ピック&ロールからのシュートやパスを繰り広げる選手になっていた。近くで見ると、かなりパワフルで、プロで通用するどころか違いを出せる選手になっているように感じられた。

そして、試合終盤に三遠ネオフェニックスから大口真洋が出てくる。私と同世代の選手で、凄い選手だったことを思い出して、まだ現役だったのかと驚く。当時の関西学生リーグでは、この天理大の大口真洋と大産大石橋晴行、流通科学大の川面剛が凄かったのを覚えており、特に大口真洋は、ファールするのさえ大変と言っても過言では無いぐらい速かった。川面剛は175センチのPGだったが、同じPGの佐古賢一のようにアップでバックダンクや360°(スリーシックスティ)のダンクをしており、パススピードの速さやハンドリング含め、レベルの違いを感じる選手だった。

話は試合に戻って、大口真洋が出場してきて、学生時代のプレーを思い出していたのもつかの間、一回のチャンスでスリーポイントをしっかりと決めた時には、さすがだと感じた。坂東拓が中々スリーポイントを決めきれなかったのを見て、プロの精神的なレベルの大変さを感じたのだが、大口真洋がワンチャンスできっちりと鎮めるあたりは、やはり40歳を超えても日本のトップリーグで試合に出続ける選手だったんだなあと学生時代の凄さを改めて思いだしていた。石橋晴行もB2のバンビシャス奈良でAC兼任選手として現役でいてるようで、本当にすごい選手たちだったんだなあと振り返る機会にもなった。

身近にプロスポーツとしてBリーグが出来たことは、やっぱり良いなあと感じる事が他にもあった。息子が開幕戦の翌日、近所の公園のバスケットゴールでシューティングをしだした。以前から気が向いた時だけは、打つ事があったのだが、今回初めて、遅いので帰ろうと促すと、もう少しシュートを打つと言いだした。日が沈み、暗がりの中で電灯の明かりだけを頼りにシューティングをしているので、ボールが見えにくくなるまで打ち続けていた。帰ってから晩御飯を食べた後に、開幕2戦目の京都ハンナリーズと三遠ネオフェニックスの試合を録画していたので観ていると、今までBリーグの試合には一瞥もくれなかった息子が、最後まで試合内容に対して何だかんだと言いながら見続けていた。親的には、密かに忘れられない2日間になった。

FIBA アジアカップ 2017

第8回目。

第5回目でFIBA アジアカップ 2017のvs韓国の試合を中心にした内容を書いたが、Jバスケというポッドキャストに現在日本代表アシスタントコーチである佐古賢一が出ていて、面白かったので、その内容をほとんどそのまま書いて、アジアカップを再度振り返ってみたい。

佐古賢一が話しているのをしっかりと聞いたのが初めてだったのだが、MCの橋本Jこと橋本淳と親しいのもあるのだろうが、私の勝手なイメージとは良い意味で違った。やんちゃな兄貴分という感じの話しぶり。第一線でやっていた選手だからこその感覚的な話を、分かりやすく伝えてくれて、言葉の選び方や話し方も説得力があり、ついつい聞き入ってしまう。私は、佐古賢一以前と以後ではPGのレベルが一段違うようになったと何となく記憶している。それまでのPGは、スピードが突出していたり、ディフェンスが激しかったりするが、全体としては単調で腰高なプレイをする印象だった。佐古賢一のプレーを最初に見て、ハンドリングの技術が今までのPGとは違い、世界の大会に出ても恥ずかしくない選手が出てきたと思ったことを覚えている。すぐその後に長谷川誠も出てきて、1995年ユニバーシアード大会で共に代表として決勝まで進み、アレン・アイバーソンティム・ダンカンを有するアメリカ代表と戦い、敗れはしたが銀メダルを獲得し、興奮したのを覚えている。その佐古賢一と長谷川誠などを中心とした日本代表は、その後の1997年のアジア選手権(現在のアジアカップ)でアジア2位となり、31年ぶりに世界選手権への出場を決めている。

Jバスケの中で、その時代の日本代表と、現在の日本代表はどっちが上かと言う質問があった。佐古賢一は「間違いなく今の選手の方が、ポテンシャル、環境面含め、すべての面でレベルアップしている」と即答している。実際に、自分が日本代表で活躍し、現代表のアシスタントコーチもしている人間が語る感想なので、リアリティがある。国内では、日本リーグ9回、天皇杯12回の合計21回も優勝を経験しているそうで、日本で一番優勝経験の多い選手ということだった。それだけの実績があっても、そう即答する佐古賢一は、過去に固執するタイプではなく、素直に客観性をもって日ごろからバスケットボールについて考えているのだと思う。引き続いて「ただ、現在のアジアのバスケットボール情勢として中東がスポーツに力を入れている。資金力があるので、立派なスタジアム建設や宣伝が凄いスピードで進み、それに呼応するように認知度と共に集客力も向上し、飛躍的にプレーのレベルがあがりやすい環境がある。我々の時代よりも数段レベルが上の日本代表でも、中東のレベルアップの速度の方が上で、なかなか勝てないが、それがアジアの面白さにつながっている。そして日本もBリーグが発足し、本当の意味でのプロとなって環境の大きな変化があり、選手のモチベーションも上がっている。これを繋げていけば、十分に勝てる状態にある」と答えている。

今回のアジアカップについて、コンディションの調整が大変だったようだ。まず食事面で食べられるものを探すのが難しかったらしい。一つの大きなホテルが選手村となっており、食事会場は各国一緒で、バイキング形式なのだが日本人には味や見た目も合わないような物が多く、数名の選手が体調を崩し、寝込んだりしたそうだ。サッカーの日本代表では専属のシェフが帯同し、食材も日本から可能なかぎりもって行くと聞いたことがある。バスケットボールでは予算の問題があるので難しいだろうし、海外の生活に慣れていくしかないのかもしれない。11月から始まるFIBA ワールドカップ 2019 アジア地区 1次予選は、ホーム&アウェー方式なので、少なくともホームでは良いコンディションで試合に挑めると考えたい。

アジアカップ全体を振り返った感想では、強いチームと試合をするとゲームの後半に失速する傾向があったが、これはチームのシステムが浸透していない事が露呈していると語っていた。これは、フリオ・ラマス監督が来てから実質一週間しか経過せずに大会に入ったので、まだまだチームケミストリーが弱く、強い相手と対戦すると、そこから自信の無さが出て、特に第4ピリオドで自チームの連携を見失う事になるようだ。ただ、どの相手に対しても前半は良く、イニシアチブをとっている時間帯が多くあったので、その状態を一試合通して出していけるようにするために、チームケミストリーを高める必要があり、その部分では、まだまだ改善する余地は相当あり、着地点をしっかりと見つけるという事だった。他のチームでは、韓国は東アジアカップの頃と比較して完成度が高くなっており、フィリピンは前回のアジア選手権で準優勝しているが、その時とほとんどメンバーが変わっていないが、韓国に惨敗している。それぞれちょっとしたメンタルの差なのだが、そのちょっとした差を韓国は、しっかりと詰めてきていたと感じ、フィリピンは、その少しの部分が足らない事が大きく影響し、かなり状況は悪かったように見受けられたそうだ。強い国との対戦では、その少しの差が大きなものになると感じているとの事だった。アジアカップの後に、コーチ陣での話し合いがあり、11月に向けて補強しなければならない部分と切り捨てなければならない部分が明確になった大会で、フリオ・ラマス監督にとっては多くの情報を得られた大会だったようだ、監督というポジションにとっては、情報が全てと言ってもいいとも語っていた。

アシスタントコーチと監督の違いについても言及していた。佐古賢一の現在の役割は、主に選手へのアドバイスやモチベーション向上などのメンタル管理で、練習内容については、大きな枠組みの中で指示されたパートについて立案するが、練習で直接指導するのは、あくまでもフリオ・ラマス監督であり、監督のタイミングで伝えていくそうだ。また、試合中のタイムアウト時も相手チームの選手交代などを確認し、監督に伝えマッチアップのミスなどが起こらないようにしているそうで、自チームのデザインプレーも確認せずに相手ベンチの動きを確認しているとの事だった。あくまでもアシスタントコーチとしての役割を全うするようにしているそうで、Bリーグが始まっても選手とのコミュニケーションを図りつつ、隔週で実施される代表合宿や、アンダーカテゴリーの合宿にも参加し、すべての世代を連携させていく役割を担っていくようだ。

自身が広島ドラゴンフライズで監督をしていた時には、基本的に選手の時と同じ気持ちで、セオリー通りではなく自分らしさを大事にしていたそうだ。それは、勝つことに対して妥協をしない、勝つために生活をすべてささげていくという事をする中で出てくる自分らしさであり、本当に努力し考え抜いた上での答えで、自分にうそをつかないようにしている。選手には、知ってることと出来ることは違う、知っていることを出来るようになるのが一流の選手、それが出来るようになるよう突き詰めなければならないとダメで、そこに気持ちが必要で、メンタルが負けていたら試合では絶対に勝てないと伝えていたそうだ。

11月から始まるワールドカップ一次予選では、グループBに入りチャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、フィリピンとのホーム&アウェーの戦いが始まる。日本からすると強豪ばかりの相手だが、この中から早速1チームが落ちる。佐古賢一も全ての試合が大事になってくると語っていた。

川崎ブレイブサンダース 球団売却構想

第7回目。

ちょっと前に、川崎ブレイブサンダースを運営する東芝が、チーム譲渡の検討に入ったというニュースが出ていた。スポーツ新聞の一面を飾ったらしく、事の信憑性は置いておいても、ニュースバリューがあると判断されたのだと思う。まあ、前DeNA球団社長の池田純が友好的買収を検討しているという部分にニュース性があるのだが、Bリーグを視野に入れてくれた事が嬉しい。

少し前に、スカパーで放送しているJリーグラボという番組に、ゲストでその池田純が出ていた。面白い内容だったので興味がわき、去年から今年にかけて出版された池田純の書いた本を3冊読んでみた。だから、Bリーグのチームを買収対象として検討しているという事が、なおさら嬉しく感じた。噂レベルだったとしても、このニュースはBリーグのマーケットが拡がる効果があると思う。一昨年なら考えられないニュース。

Jリーグラボという番組は、慶應義塾大学からジェフユナイテッド市原コンサドーレ札幌で選手として活躍し、2013年に株式会社コンサドーレ代表取締役社長に就任した野々村芳和がMCを務める番組だ。コンサドーレ札幌は、昨シーズンのJ2を制して今シーズンJ1に昇格している。その舞台裏を支えた野々村芳和が、経営の現場から見える金銭などを含む内容や、選手だったからこそ感じる事柄をゲストと共に1時間程度、まさに話をするだけの番組なのだが、毎回面白い。野々村芳和の軽妙な語り口が、逆に現場の膨大な懸案事項やアイデアをリアルに感じさせてくれるので、働いている社員も同じなんだろうなと。そういった部分を含め野々村芳和は、新しい世代の経営層という雰囲気なのかもしれない。一言で言うと、話が通じる社長という印象。

池田純は、横浜DeNAベイスターズの球団社長に35歳で就任し、わずか5年で売り上げ52憶円を100億円以上に、24億円の赤字を5億円超の黒字にし、ファンクラブ会員数を11.8倍にまで引き上げた実績の持ち主。現場重視の姿勢が鮮明で、こちらも話が簡潔で分かりやすい。番組内で池田純は、現在は色々と次に何をするべきかを検討中で、様々なオファーや自身の興味ある対象の情報を取り込み、思案していると話していた。その中でJリーグの多くのチームは、勝敗という部分に重点を置きすぎて、顧客満足を高めるサービスという部分がややもすればおろそかになりがちで、新たなライト層の取り込みが少し弱いかもしれないと言っていた。そこに改善点が、まだまだ存在するのではと。期待できるスポーツビジネスの一例としてラグビーと答えていて、なんでBリーグを話題にしないのかと残念に思っていたが、大人の事情で話が出来なかったのかとニュースを見て、溜飲を下げる。

池田純は、著書の中で世間から無謀だ、不可能だと言われてもビジネスの勝率が51%あれば十分と書いている。残りの49%はやり方で作っていけると。記事では、川崎ブレイブサンダースの譲渡金額は50億円となっており、売り上げの10倍前後の金額になっている。そこに池田純がホワイトナイトとして手を上げているのなら、勝算51%以上と判断しているという事だろう。

別の記事で、栃木ブレックス代表の鎌田眞呉に対するインタビューがあり、年俸が五千万円を超えている選手が、Bリーグ全体で数人出始めていると書かれている。栃木ブレックスは優勝したことで、セカンドユニットの選手を中心に、より良い年俸を他チームから提示されて引き抜かれ、なかなか全員に納得してもらえる年俸を提示できなかった現状があるようだが、そういった競争や経営努力、選手側からみる契約交渉も含めてプロだなと思うし、まだまだ未整備で未成熟な部分は多いが、買収のニュースを含め、良い流れなんじゃないでしょうか。

FIBA アジアカップ 2017 vs韓国

第6回目。

一つ前の香港戦は時間が過ぎるのが遅く、緊張感の無い試合だったからか、この韓国戦は時間が過ぎるのがあっという間で、手に汗握る試合だっただけに、とても悔しい結果となった。

結果は、68対81で負け。敗因のひとつは、第4ピリオドの残り8分から5分ぐらいまでのスリーポイントを立て続けに決められた時間帯にあると感じた。フリオ・ラマス監督は、試合を通して早い目のタイムアウトを取るように感じ、悪い流れの兆候が出れば、すぐに断ち切ろうとしていた。タイムアウト時の雰囲気も戦う姿勢があり、指揮官としてのセオリーや自信があるのが見て分かる。しかし、第4ピリオドの悪い流れを断ち切ろうと立て続けに2回のタイムアウトを早い目に請求した事に選手が応えられず、結果としてそれが裏目に出た。約3分間ほど、スリーポイントを決められ悪い流れになった時、残る1回のタイムアウトを試合終盤の為に取っておかなければならず、このタイミングで使う事が出来ないようだった。選手を信じているのかなとも感じられたが、日本の選手はズルズルと引き離されていった。フリオ・ラマス監督はタイムアウトを取らない代わりに、韓国のバックコート陣にスリーポイントを決めさせないためか、富樫勇樹と篠山竜青を同時に起用したが、サイズで圧倒的に不利になり、韓国はそこをディフェンス・オフェンス共に突いてきた。日本はサイズを元に戻すための交代まで、かなりの時間を要し、勝負が一気に韓国へと傾いていくのを、ただ眺めるしか出来ていなかった。サイズを戻してからの日本は、すぐに互角の戦いを演じていたので、結果論になるが、なおさら悔やまれた。

ただ、この話と少しずれるかもしれないが、私は単なるガードの大型化は、得策ではないと思っている。長谷川健志監督の時に、比江島慎をPGにコンバートする試みがあったが、あの時も田臥勇太がPGの方が良かったと思うし、今大会も富樫勇樹や篠山竜青、橋本竜馬のPGは良いと感じる。PGというポジションは大事で、ここがしっかりとする事は大型化より優先されると思う。

話は戻って、フリオ・ラマス監督の求めているオフェンスはウィングの選手がスクリーンを使って左右に大きく動き、マークマンとのずれを作って攻撃するパターンがあり、かなり運動量が必要になる。ディフェンスもチャイニーズ・タイペイの時のようにマンツーマンで激しく当たりに行くのも運動量が必要になってくる。このレベル以上の相手に日本が勝とうと思うと、その運動量にプラスして、ゴール下などのイージーショットも大きい選手のプレッシャーを感じても決めきる力が必要になってくる。韓国は日本より平均で5センチ以上大きく、実際に対戦している選手は、観てる以上に疲弊していったと感じる。運動量が生命線になる戦い方を進めるためには、全選手に言える事だが、特に田中大貴比江島慎、馬場雄大などの選手が、一試合を通して交代しながら同じレベルの力を発揮し、運動量を落とさずにプレーする事が必要になってくると思う。韓国は、合わせのプレーが上手く、ゴール下の攻防も体格と身体能力の差を感じる事が多かった。こういった相手に勝つためには、なおさら第1ピリオドのように運動量で上回る事が必要なのかもしれない。そういう意味でも、ウルグアイ戦あたりから自覚が芽生えて緊迫した試合で気持ちを前面に出してプレーするようになった張本天傑のような選手がこれからも出てきて、本当の意味で戦える選手の層が厚くなる事が大事になってくる。

この大会は、ワールドカップアジア予選の前哨戦とも言える大会であり、日本としては良い教訓になったと思う。特にフリオ・ラマス監督は就任してすぐの大会であり、選手の特徴やアジアのレベル、公式戦だからこそ見えてくるものがあったのではないだろうか。特に日本人の良さと弱さも感じたのではないかと思う。協調性や規律性は高いが、試合中のイレギュラーな事態に対して、コート上でアジャストする事や、いやらしいプレーを実行する事が不得手とする部分など。この部分は、古川孝敏あたりが担う存在だと思うが、開始早々にバッシュを脱いでいたので、故障だったのかもしれない。

ワールドカップアジア予選までに、フリオ・ラマス監督がどのように日本の選手を見極め、代表に入れてくるのか、また戦術として、どんなチームにしていくのか楽しみである。その間は、Bリーグを観ながら想像していたいと思う。

インターハイ 2017

第5回目。

インターハイが福岡大附大濠の優勝で幕を閉じた。客観的に観て、1番オーソドックスで近代的なバスケをしていたのは福岡大附大濠だと思う。ピック&ロール、スリーポイント、ゾーンディフェンスなど、高校生年代の中では、かなりレベルの高いバスケだったと思う。高校生特有のバタバタ感が少なく、セットプレイもしっかりとプッシュ出来ているように感じた。

これらを支えている要因の一つは、井上宗一郎だと思う。バスケットボールは、リバウンドの影響が大きいスポーツだ。リバウンドをしっかり取ってくれる選手がいると、チーム全体のリズムが良くなり、アウトサイドのシュートも入るようになる事がままある。2メートルクラスの黒人などの留学生がいるチームが強いのは、リバウンドが安定するので、チームの好不調の波を最小限に抑えて、日ごろの練習の成果を発揮しやすくなる部分にあると思う。この部分で、井上宗一郎の果たした役割はかなり大きかった。ゴール下で体を張ってのボックスアウトに、ローポストやショートコーナーでのシール。激しく守りに行くがファールアウトしないように、冷静な判断もあった。福岡大附大濠の片峯聡太監督も根気強く教えているのだと思う。

東山戦が一つのキーポイントだったのだと思う。東山のパトリックを自由にプレーさせず、バックコート陣が効果的なスリーポイントを決めて勝利した3回戦は、福岡大附大濠にとって自信となった一戦と感じる。

東山は京都予選の決勝で洛南と対戦し勝利したチームだ。洛南は、インターハイ前の能代カップで優勝し、レベルの高い選手たちによるオフボールスクリーンを使った、球離れの良いオフェンスを繰り広げる福岡大附大濠と同じような伝統校であり強豪である。その洛南に、中学生年代の実績でいうと一段落ちる選手が中心となる東山は勝っている。要因のひとつは間違いなくパトリックの存在である。インターハイの京都代表校は2年前に東山が洛南に勝利するまで40年間、洛南が勝ち取ってきた。東山は、その40年間のうち半分を準優勝しているが、インターハイ出場は洛南の壁に阻まれてきた。東山の大澤徹也監督は、様々なセットプレイやディフェンスを中心とした厳しい練習を実行してきたと感じるが、あと一歩がリバウンドにあると痛感していたはずだ。その部分を補って余りあるのがパトリックという存在だと思う。東山は、去年と一昨年は岡田侑大や藤澤尚之というタレントがいて洛南に勝利する事が出来た。今年、洛南の選手に比べて実績で見劣りするメンバーで勝利出来たのは、パトリックの存在と、この2年間、洛南に勝利する事で得られたチーム内の勝てるんだという雰囲気が後押しして、かなり激しいディフェンスを一試合通して遂行出来た事にあると思う。

黒人などの留学生の存在によって、今までの伝統的な強豪校が常に全国ベスト8まで上がってくるという図式が崩れてきている。時代の流れを感じるし、戦術的により深く真剣に考えないと勝てない時代になっているのかもしれない。あの高さを攻略もしくは克服する事が高校年代の上位レベルでは不可欠になっている。地方予選から勝つか負けるか分からない試合が増える事はバスケットボールにとって、良い事だと思う。

一方で、レベル別にカテゴリーを分けたリーグ戦も各地域で開催し、部員数の多いクラブや強豪チームなどはBチームやCチームを作り、サブの選手たちや、そして一回戦負けを年2回みたいなチームの選手たちにも、公式戦を年間数試合、体験出来るようにすると、バスケットボール的にも教育的にも良い効果があるのかなぁと思う。