第38回目・Bリーグの外国籍選手や留学生について

第38回目。

Bリーグ2018-19シーズン第18節2戦目、2019年明けて早々の1月6日の京都ハンナリーズ新潟アルビレックスの試合を観て、色々と感じたので書き留める。

第18節1戦目は新潟に完敗で、勝てる要素が見当たらない感じだったのが、第2戦目で接戦となり勝てそうになったのだが、たまたまではなく、戦略として接戦となった事が、解説の立命館大学バスケットボール部ヘッドコーチの古屋孝生氏の話を聞いて分かった。

解説の内容はバスケットLIVEを見逃し配信で視聴するのが一番良いのだが、京都が相手の攻撃に対してゾーンをどのように都度、変化させているかの説明が的確で、Bリーグのコーチ陣が高いレベルで仕事をしている事が良く分かった。そして、それをポゼッションごとに解説してくれる古谷考生氏の話が知的好奇心を刺激してくれて、バスケットの面白さに深みが出るようで楽しかった。大学のヘッドコーチは、そんな事まで理解して試合を観れるのかと感心した。

そんな中で、試合を観て感じた上記とは別の感想として、外国籍選手の圧倒的なフィジカルレベルの高さと、それで試合がほとんど決定されるような状態という事がある。特に京都も新潟も外国籍選手の依存度が高い。中学生の中に大学生が各チーム2名いるぐらいの差を感じる。これは、オンザコート2の制度が、日本人のレベル向上に本当に繋がっているのか?という疑問となり、高校や大学の留学生に対しても、同じように疑問視する、ちまたでよく話題になっている留学生問題とも共通する事である。

このゲームを観ていても、最初は日本人のレベル向上に繋がっていないのじゃないかと感じていた。特に筑波大学から特別指定で京都に加入している玉木祥護選手に期待をして注目していたので、色々と考えさせられた。

結論から先に言うと、外国籍選手や留学生は、日本人のレベル向上に繋がらざるを得ないという風になっていった。そして、今は過渡期であり、そんな中で突き抜ける日本人が現状でも数名、これからもそれなりの数が出てくると思うに至った。

玉木祥護選手は筑波大学で、それこそフィジカルモンスターとしてレギュラーの座を掴んでいた選手で、数年前のインカレ準決、決勝での働きのインパクトが強く、黒人の留学生と互角以上に渡り合う強靭な肉体と跳躍力を感じる選手だ。私の観た試合では、ゴール下でリバウンドを取って、そのままボースハンドダンクを叩き込むなど日本人離れしていて、びっくりしたのを覚えている。

その195センチの玉木祥護選手が、明らかに小さく見えるのがBリーグだ。外国籍選手のサイズ感が大学の留学生より一回りはデカい。元NBAやらNCAAのファイナルフォーレベルがゴロゴロしているBリーグに入ると、ここまで小さいのかと感じ、細身に見えるジュリアン・マブンガが、どれだけ巨体で動けるかが、リアルに感じられるほどだ。点数を決めるどころか、リバウンドに絡むのも大変に見える。

色々と感じたのだが、195センチであれば、ハンドリングやミドルからロングレンジのシュートの精度やレベルを上げ、どうやったら貢献出来るかなどのバスケIQを高めないとBリーグでは戦えないという事だ。170センチ台の伊藤達哉選手や183センチの柏木真介選手、184センチの片岡大晴選手が、わずかな隙をついてのスリーやフローター、リズムをずらしたプルアップを決めるだけでなく、時にはゴール下のセンタープレーに通ずるステップをしっかり踏んで得点を決めたり、ここと言う場面でリバウンドに飛び込んで取るなど、試合をコントロール出来ているのは、彼らが最初から小さい事を意識して練習し、Bリーグまで勝ち残ってきたからだ。これは福岡第一の井手口監督も言ってる(全国Vの福岡第一、指揮官が「日本のポイントガードは小さくても良い」と話す理由(平野貴也) - 個人 - Yahoo!ニュース)が、大きい相手にどうやったら勝てるかを、それこそ小学生から考えてきた選手と、大きさだけで勝負してきた選手の差だと感じる。

京都は最後、新潟の池田雄一選手にスリーを決められて負けるのだが、この選手は191センチだがスリーを7本打って4本決めている。これはBリーグで生き残るためには、絶対に必要な要素と感じた。191センチでゴール下でゴリゴリ勝負する事は、外国籍選手がいる以上ありえない。でも勝負を決めるプレーに絡んでいる。

言い方は悪いが、日本の中で背が高いからと、お山の大将だったとしても、もう高校のトップレベルでも勝てない。どうやったらバスケで勝てるかを考えて技術を上げないといけない状態が、高校生の段階で経験できるのは、大事な事だと思うし、そこにバスケの面白さも詰まっているように感じる。

それを、感じたもう一つの存在は、桜丘高校の富永啓生選手だ。ウィンターカップでぶっちぎりの得点王(1試合平均39.8点)になり、2位以下の留学生を寄せ付けなかった。ハンドリングとロングレンジのシュートで得点を積み重ね、故にドライブも効果的に繰り出す彼の技術は、バスケの面白さを感じさせてくれた。あのプレーをチームオフェンスの流れの中で決めるステフ・カリーのような選手になれる可能性のある選手だ。ステフ・カリーはアメリカのトップ選手だが、完全に体の大きさや跳躍力以外の部分で勝負し圧勝している。

今まで日本人としては大きいというレベルでプレーしていた選手は、それこそ小学生ぐらいから、自分より大きい選手と戦う事をイメージしてバスケに取り組む事が当たり前になってほしいし、それを真剣勝負の中で鍛えられるのが留学生の存在とも言える。

そして、日本人で2メートルを超える選手は、フィジカルやペイント内でのテクニックを鍛える必要性をより感じられる環境になっている。ラグビーでは当たり前のように取り組んでいる筋力トレーニングなんかが、バスケのトップレベルでも当たり前になってくるのかもしれない。現に東海大学の選手は、他の大学よりガタイが明らか良いし、跳躍力もある。背が高い事だけで圧倒的に有利というような環境が、留学生のお陰でなくなりつつあり、本来のトップアスリートやアメリカのバスケエリートがしている肉体的な取り組みも、日本のバスケのトップレベルでも大事なんだと意識せざるを得ない状況になっていると思う。 田中力選手のアメリカの高校での筋力トレーニングの内容と設備をツイッターで見たが、かなり本格的なものだった。

色々と書いたが、トップレベルではなくても、バスケのスキルを磨く事はバスケの楽しさにも繋がる部分だと思うし、考える事も楽しむ要素と思う。

玉木祥護選手のポテンシャルは、相当高いし、勉強も出来るとか何かで読んだように思うので、環境に慣れれば活躍してくれると思うし、今は逆にワクワクして取り組んでるのかもしれない。

ざっくりとした内容になってしまったが、なんとなく感じた事を、バスケ好きのおっさんの完全な戯言なんだけど、覚え書きとして書き留める。

第37回目・2018年 雑感

第37回目。

2018年をバスケットボール的に振り返ると、このおぼえがきを1年半前から書きだして良かったと思える、書き始めたタイミングとして最適だったのではないだろうかと思える、ターニングポイントとなる一年だったと思う。

このブログを書き始めた1年半前は、Bリーグが開幕して1年が経過し、今までバスケットとの距離が気持ち的に少しあったのが、ぐっと縮まったと感じた時であった。

バスケを好きになる価値があると言うか、何か日本のバスケが変わって行くという期待感があった。

ただ、その時点で日本人で二人目のNBA選手が出るという事や、あのデューク大に土をつける日本人が現れる事や、現役NBA選手が2人もいるオーストラリアに日本代表が勝利する事などが予想できたかたというと全く無理な話だった。

Bリーグが開幕してからの日本代表の調子も悪くなく、良い雰囲気があり、親善試合やカップ戦のような大会でもそこそこ、今までよりも良い結果が出ていたので、期待感はあった。

でもワールドカップ予選が始まると、他国も本気度があがり、開幕4連敗と苦しい状態が続いた。接戦をものに出来ないもどかしい試合が続き、そんなに甘くないわな、と変わらない現状を現実として受け入れていた。ただ、振り返ると、あと少しのところまでレベルは上がっていたのだと思う。なんというか負け犬根性だけが払しょく出来ていない状態というか。それを払しょくしてくれたのが、八村塁、ニック・ファジーカス、渡邊雄太で、そのメンタリティが他の選手の本来の実力を発揮させる事に繋がっていく。

4連敗からの6連勝。日本という国の底力を感じる。体制が整い、それに呼応するように人材が出てくる。若い子のメンタリティも変化していっていると感じる。月バスなんかを読んでいても、全国レベルの若い子は、Bリーグを目指すという子が大半となり、中にはNBAを目指すという子も出てきている。今までは、言う事がはばかられる感があったが、険しいけど、今の延長線上にNBAがあると思っても良いという雰囲気が少し出てきた。しかも、この1年ぐらいで。

そういう事は、良い事だと思う。

留学生が、日本の高校から大学にかけて、たくさんやってきている。この事に関しては明確な回答が私の中で出せていないが、なんとなく感じている事はある。それは、日本のバスケの進化に繋がっているという事。今更、留学生がいないバスケットに戻っても、それは後退のような気がしている。色々な意見はあると思うが、高校生であの高さや強さを体験できる事のメリットはある。それと、異文化の選手と共に過ごす事の刺激や気づきが若い子にとって凄くあると思う。高校時代のクラブ仲間は一生の友だちになる。そこに他国から来た同世代の友だちが出来ることは教育的に大きな意味があると思える。

私自身も下手な指導で、子どもたちにバスケを教えているが、来てくれる子の人数が増えてきているのは、バスケという競技の面白さに助けられている部分が大きい。もう少し自信を持ってバスケを通してスポーツの楽しさや、何かに集中する気持ちや、コミュニケーションを図る大切さなんかを伝えられるようにしたい。

第36回目・ウィンターカップ 2018

第36回目。

ウィンターカップ福岡第一の圧勝で幕を閉じた。

地元、京都から出場している東山と2回戦で対戦した福岡第一をじっくりと観戦した。東山は、ハーフコートで勝負するいわゆるディレイオフェンスのチームと言っても良いと思う。直訳すると遅いオフェンスという意味で、遅攻のチームだ。

高校の強豪校でディレイオフェンスを主として取り組んでいる強豪チームは、あまり聞いたことが無い。何チームか観たが、実践学園は数少ない速攻を主としないチームという感じを受けたが、他は基本的にハードなディフェンスからファーストブレイクが中心だ。そして、その攻め方が、特に若い世代にとっては一番勝つ可能性が高いとも思う。まず速攻、ダメならアーリーオフェンス、それからセットオフェンスという順番ですべての攻撃の優先順位を決めておく事が勝率が上がると感じる。

実践学園は、言い方は悪いが上手いおっさんのチームがやるバスケで、一人ひとりが役割を認識し、いやらしいプレーを一回一回の攻めで繰り出すチームだ。選手が自立している感じがあり、あのスタイルで強豪校を高校生で作るのはいろんな意味で難しいと思うが、監督の指導方針が伺える良いチームだったと思う。現に今年のインターハイで、松崎裕樹と河村勇輝がいなかったとはいえ、福岡第一に勝利している。

関西では、天理大学がディレイオフェンスで有名だ。留学生がいなくなり関西2部に落ちたが、今年の天皇杯で奈良代表として出場し、ハンナリーズ相手に善戦した。佐々木隆成という178センチの選手がえげつなく、この試合でも28点を取るのだが、ハンナリーズ相手に一回一回セットオフェンスを組み立てて勝負していた。速攻以外で勝負しようと思うと、この佐々木隆成のように個人で状況を打開できる選手が一人はいた方が良いと思う。その存在を上手く使ってセットオフェンスを組み立てられるから。この佐々木隆成という選手は、かなり余裕を持ってダンクも出来るので、ハンドリングと身体能力でハンナリーズの選手相手でも、特に前半は得点を積み重ねていた。天理大学は今年の2部で優勝し、来年からは1部リーグに返り咲きだ。

福岡第一と東山の一戦を観て感じたのは、今大会の福岡第一は、日本の高校バスケットの理想的なチームかなと思えた。まず、留学生がチームの一員として悪目立ちする事なくやるべき事はしっかりと一試合通してやる。2ガードが速く、パスも出せて、得点力もある。そしてフォワードの二人は大きく、シュートレンジが広いし、ドライブの力も上手さもある。東山としては、洛南相手に上手くいったセットオフェンスで、何とか差を詰めたいと考えていたと思うが、なにせ福岡第一の速攻の速さと精度が高く、2~3本一気にやられるとすぐに10点ほどの点差が開き、気持ちが折れそうになる相手と言える。本当に爆発力があるので、気を抜くとすぐに点差が離される。そのタイミングを福岡第一は良く理解していて、一気に攻めてくる。

東山も良いドライブが何本かあったが、ことごとく福岡第一の留学生にブロックされる。あそこでドライブに行った選手が、ゴール下で他の選手、特に留学生に合わせられたらいやらしいチームとなって、もう少し良い勝負になったと思うが、素直にアタックしすぎていた。フィニッシュのいやらしさが身につけば、もう一段レベルが上がるように思う。逆に福岡第一は、直接ドライブに行く力も、合わせも上手い。東山の選手がディフェンスを諦めているシーンが何度かあったが、このレベルの試合であまり見ないシーンだ。それほど完璧に抜かれている感じが何度かあり、一気にそこで勝負が福岡第一に傾くのが分かる。

福岡第一と競ったチームは、残念ながら福岡県の決勝で当たった福大大濠だけという結果になってしまった。それぐらい全国で圧勝だったし、田臥勇太のいた時代の能代工業に留学生が日本人のように動く大型選手として入ったぐらいのインパクトがあった。

井手口監督のインタビュー記事(全国Vの福岡第一、指揮官が「日本のポイントガードは小さくても良い」と話す理由(平野貴也) - 個人 - Yahoo!ニュース)を読むと、すごく共感できる部分がある。東山の大澤監督も言っていたが日本で数少ない195センチ以上の運動能力のある子がいったチームが、どうしても有利になるという現状が日本ではあった。そのチームに行ったガード、フォワードが必然的に日本のトップクラスと認識されるという状態。もしくは、有望大型選手の行くチームに良い選手が流れるという図式。ただ、私たちの時代でも、日本のトップより上手いんじゃないかと言われる地域で有名な、くそ上手いガードやフォワードが、必ずいた。リバウンドの部分で負けるが、1対1では圧勝するようなイメージ、そんな選手だ。そんな感じの選手が、留学生の存在によって強豪校の数が増え、昔からの強豪校以外にもチャンスが出てきて、陽の目を見る状況が出てきているように感じる。より多くの選手にチャンスが巡ってきている部分がある。

リクルートが勝負を分ける部分が今もあると思うが、より戦術的な要素が勝利に影響するようになってきているのかもしれない。そういった群雄割拠の時代の中で圧勝した福岡第一は、現時点でのひとつの答えを出したように感じる大会だったと思う。

あと桜丘の富永啓生という選手も凄かった。以前のブログでも書いたが(第14回目・FIBA U17 ワールドカップ 2018 アジア地区予選(U16 アジア選手権) vsインド - バスケットボールおぼえがき)一人で得点できる高校生レベルでは珍しい選手で、福岡第一の松崎裕樹や河村勇輝と共に今後に期待できる選手が出てきてバスケファンとしては楽しみだ。

第35回目・FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区2次予選 vsカザフスタン

第35回目。

2018年12月3日、カザフスタンとの試合。

9月に2次予選初戦で対戦(第27回目・FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区2次予選 vsカザフスタン - バスケットボールおぼえがき)し、85-70で勝利している。が、その時は、八村塁と渡邊雄太がおり、今回はいない。

カザフスタンは、フィリピンに勝っている。日本は、八村塁、渡邊雄太、ニック・ファジーカスがいない時に僅差ではあるがフィリピンに勝てていない。以前なら実力は日本より上と考えるべき相手だ。選手は白人ばかりで、体が大きくスリーがよく入るヨーロッパ的なチームという印象だ。

試合前の予選戦績は、日本5勝4敗、カザフスタン4勝5敗。共にグループ3位以上を目指して負けられない試合になる。結果は86-70で勝利、前回とほぼ同じ点数だ。

この試合は、ニック・ファジーカスが41点と大暴れしたかのようなスタッツだが、1試合を通して観ていると全員で効率よく攻めているという印象になる。日本の他の選手も、ここ数試合で自らドライブやミッドレンジのジャンパーなど、積極的にアタックするようになり、決められるようになっているので、ニック・ファジーカスにダブルチームがいけない状態を作っている。ローポストの1対1であれば、ニック・ファジーカスは抜群に強いので、アジアではなかなか止められない。日本の選手がドライブに行ったり、ドライブからのプルアップジャンパーを積極的に打つ場合も多く、外れてもニック・ファジーカスがリバウンドショットを決めるという場面も結構あった。

しかし、ハンナリーズで対戦する時も思うのだが、ニック・ファジーカスのフック気味の変則ショットは落ちない。

日本のオフェンスは、比江島慎、馬場雄大富樫勇樹と速いので、カザフスタンの選手は嫌そうだった。以前であれば、負けている時は固くなり、連動性のないオフェンスになっていたが、ここ数試合で自信がつき、負けていても積極的なオフェンスが展開出来ている。

そしてこの日は、フリースローの確率も良かった。1次予選ではフリースローに泣かされたので、ここは大事な要素だと思う。

ディフェンスでは、カザフスタンのスリーが高確率で決まるので、2Qぐらいから日本がシュートを決めてもゾーンにせず、マンツーで守ることが増えていく。

お互い譲らず一進一退の状態が続き、同点で迎えた3Qの残り2分ぐらいに馬場雄大のえげつないダンクが決まる。相手のセンターのブロックの上から叩き込むようなダンクで、頭がリングに当たりそうな高さがあった。このあたりから流れが日本に傾いていく。続いて張本天傑がスリーを沈める。4Q最初の田中大貴のジャンパーが決まった時にラマスHCが激しく手を叩いていたが、まさに勝負どころという時間帯だった。

4Q残り2分ほどのところで、馬場雄大のジャンパー、比江島慎のスリーで勝負あり。

これでアジア予選6連勝、グループ3位に浮上。アジア予選残すはあと2試合、勝ってワールドカップに出場してほしい。

第34回目・FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区2次予選 vsカタール

第34回目。

2018年11月30日にあったカタール戦。

日本、カタール共に1次予選をグループ最下位通過。ただ日本は、八村塁、渡邊雄太、ニック・ファジーカスが代表入りしてからは別のチームと言っても良いぐらいチーム力が格段に上がりアジア最強のオーストラリア(第24回目・FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区1次予選 vsオーストラリア - バスケットボールおぼえがき)、イラン(第28回目・FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区2次予選 vsイラン - バスケットボールおぼえがき)に勝利するまでになっているが、カタールは1次予選で最弱だったイラクにだけ勝利しているチーム。2次予選のグループでも最下位であり、絶対に勝たなければならない相手と言える。

日本は、アジア予選を通じて4連敗後の4連勝中で、この試合前の段階で2次予選グループ4位。3位以上に入ればワールドカップ出場が決まるだけにギリギリの状態で大事な試合と言える。チケットも約5,000人収容の富山グラウジーズのホーム会場だが、即完売している。

試合開始前のカタールの選手を見ると、縦にも横にもデカい。中東系と黒人がいるチームで、全然弱そうではない。しかも、この試合は八村塁、渡邊雄太が共にいない。

開始早々、頼みの綱の比江島慎がファールトラブル。ハンドチェックに対する笛が軽い。スローで見ても相手を手のひらで少し押していると見える程度で笛がなる。FIBAの見解なのだろう、よりオフェンス有利な基準と感じる。ディフェンスは、手を広げ、足で追いかける必要がある。

前半は、1点差で負けている展開。しかも比江島慎のファールトラブルと共に富樫勇樹も足首を負傷し、試合に出られない状態となる。

同点で迎えた3Q残り7分あたりで、篠山竜青を下げて、田中大貴がPGとなり、全員が190センチ以上の布陣となる。大会前に辻直人やベンドラメ礼生がケガでメンバーを外れてもPGを補充しなかったのは、田中大貴がそのポジションを担えると想定していたからかもしれない。ディフェンスは常にマンツーになる。

この布陣になって、すぐに比江島慎がスリーを決め、すぐに連続でスリーを沈める。代表戦の比江島慎は頼りになる。このレベルで、ロングレンジからドライブまで、フィニッシュまで行けて決めきれる信頼出来る選手だ。

そして比江島慎のリバウンドからフロントコートへのロングパス、受けた田中大貴が切れてくる馬場雄大へノールックパス、最後は馬場雄大の豪快なダンク。これで一気に流れが日本へ傾く。長年、日本代表では出ることのなかった流れの中からのダンク。

3Qのここまでの流れで、カタールの178センチほどのガードが何度も強引にドライブをしかけて、ことごとくシュートを外してくれたのも助かった。試合をコントロールせず、個人技で果敢に攻めてくるのだが、完全に裏目に出ていた。田中大貴のディフェンスも効いていた。

ニック・ファジーカスが抜けた後も、張本天傑のスリーや馬場雄大のランニングプレーなどがあり、点差は開いていく。ここからは日本の速い展開から合わせのプレーも出てきて、日本らしさのある見ていて楽しいプレーが続く。前半は1点差負けだったが、後半は54-15と圧勝、日本らしさも十分に出ていて、最終的に85-47、嬉しい結果だ。

ここ数試合は3Qで日本のペースになる場合が多く、1次予選の時の3Qで離されるイメージが無くなっている。サッカーの代表が強くなってきた時もアジアでは、競っても負けないと段々と思えるようになったと記憶しているが、バスケでも勝てるイメージが出だしているように思う。ちょっと前までは、負けるイメージが大部分を占めていた事を思い出すと、スポーツはメンタルが大事だと、つくづく思う。