第5回目・インターハイ 2017

第5回目。

インターハイが福岡大附大濠の優勝で幕を閉じた。客観的に観て、1番オーソドックスで近代的なバスケをしていたのは福岡大附大濠だと思う。ピック&ロール、スリーポイント、ゾーンディフェンスなど、高校生年代の中では、かなりレベルの高いバスケだったと思う。高校生特有のバタバタ感が少なく、セットプレイもしっかりとプッシュ出来ているように感じた。

これらを支えている要因の一つは、井上宗一郎だと思う。バスケットボールは、リバウンドの影響が大きいスポーツだ。リバウンドをしっかり取ってくれる選手がいると、チーム全体のリズムが良くなり、アウトサイドのシュートも入るようになる事がままある。2メートルクラスの黒人などの留学生がいるチームが強いのは、リバウンドが安定するので、チームの好不調の波を最小限に抑えて、日ごろの練習の成果を発揮しやすくなる部分にあると思う。この部分で、井上宗一郎の果たした役割はかなり大きかった。ゴール下で体を張ってのボックスアウトに、ローポストやショートコーナーでのシール。激しく守りに行くがファールアウトしないように、冷静な判断もあった。福岡大附大濠の片峯聡太監督も根気強く教えているのだと思う。

東山戦が一つのキーポイントだったのだと思う。東山のパトリックを自由にプレーさせず、バックコート陣が効果的なスリーポイントを決めて勝利した3回戦は、福岡大附大濠にとって自信となった一戦と感じる。

東山は京都予選の決勝で洛南と対戦し勝利したチームだ。洛南は、インターハイ前の能代カップで優勝し、レベルの高い選手たちによるオフボールスクリーンを使った、球離れの良いオフェンスを繰り広げる福岡大附大濠と同じような伝統校であり強豪である。その洛南に、中学生年代の実績でいうと一段落ちる選手が中心となる東山は勝っている。要因のひとつは間違いなくパトリックの存在である。インターハイの京都代表校は2年前に東山が洛南に勝利するまで40年間、洛南が勝ち取ってきた。東山は、その40年間のうち半分を準優勝しているが、インターハイ出場は洛南の壁に阻まれてきた。東山の大澤徹也監督は、様々なセットプレイやディフェンスを中心とした厳しい練習を実行してきたと感じるが、あと一歩がリバウンドにあると痛感していたはずだ。その部分を補って余りあるのがパトリックという存在だと思う。東山は、去年と一昨年は岡田侑大や藤澤尚之というタレントがいて洛南に勝利する事が出来た。今年、洛南の選手に比べて実績で見劣りするメンバーで勝利出来たのは、パトリックの存在と、この2年間、洛南に勝利する事で得られたチーム内の勝てるんだという雰囲気が後押しして、かなり激しいディフェンスを一試合通して遂行出来た事にあると思う。

黒人などの留学生の存在によって、今までの伝統的な強豪校が常に全国ベスト8まで上がってくるという図式が崩れてきている。時代の流れを感じるし、戦術的により深く真剣に考えないと勝てない時代になっているのかもしれない。あの高さを攻略もしくは克服する事が高校年代の上位レベルでは不可欠になっている。地方予選から勝つか負けるか分からない試合が増える事はバスケットボールにとって、良い事だと思う。

一方で、レベル別にカテゴリーを分けたリーグ戦も各地域で開催し、部員数の多いクラブや強豪チームなどはBチームやCチームを作り、サブの選手たちや、そして一回戦負けを年2回みたいなチームの選手たちにも、公式戦を年間数試合、体験出来るようにすると、バスケットボール的にも教育的にも良い効果があるのかなぁと思う。