FIBA アジアカップ 2017 vs韓国

第6回目。

一つ前の香港戦は時間が過ぎるのが遅く、緊張感の無い試合だったからか、この韓国戦は時間が過ぎるのがあっという間で、手に汗握る試合だっただけに、とても悔しい結果となった。

結果は、68対81で負け。敗因のひとつは、第4ピリオドの残り8分から5分ぐらいまでのスリーポイントを立て続けに決められた時間帯にあると感じた。フリオ・ラマス監督は、試合を通して早い目のタイムアウトを取るように感じ、悪い流れの兆候が出れば、すぐに断ち切ろうとしていた。タイムアウト時の雰囲気も戦う姿勢があり、指揮官としてのセオリーや自信があるのが見て分かる。しかし、第4ピリオドの悪い流れを断ち切ろうと立て続けに2回のタイムアウトを早い目に請求した事に選手が応えられず、結果としてそれが裏目に出た。約3分間ほど、スリーポイントを決められ悪い流れになった時、残る1回のタイムアウトを試合終盤の為に取っておかなければならず、このタイミングで使う事が出来ないようだった。選手を信じているのかなとも感じられたが、日本の選手はズルズルと引き離されていった。フリオ・ラマス監督はタイムアウトを取らない代わりに、韓国のバックコート陣にスリーポイントを決めさせないためか、富樫勇樹と篠山竜青を同時に起用したが、サイズで圧倒的に不利になり、韓国はそこをディフェンス・オフェンス共に突いてきた。日本はサイズを元に戻すための交代まで、かなりの時間を要し、勝負が一気に韓国へと傾いていくのを、ただ眺めるしか出来ていなかった。サイズを戻してからの日本は、すぐに互角の戦いを演じていたので、結果論になるが、なおさら悔やまれた。

ただ、この話と少しずれるかもしれないが、私は単なるガードの大型化は、得策ではないと思っている。長谷川健志監督の時に、比江島慎をPGにコンバートする試みがあったが、あの時も田臥勇太がPGの方が良かったと思うし、今大会も富樫勇樹や篠山竜青、橋本竜馬のPGは良いと感じる。PGというポジションは大事で、ここがしっかりとする事は大型化より優先されると思う。

話は戻って、フリオ・ラマス監督の求めているオフェンスはウィングの選手がスクリーンを使って左右に大きく動き、マークマンとのずれを作って攻撃するパターンがあり、かなり運動量が必要になる。ディフェンスもチャイニーズ・タイペイの時のようにマンツーマンで激しく当たりに行くのも運動量が必要になってくる。このレベル以上の相手に日本が勝とうと思うと、その運動量にプラスして、ゴール下などのイージーショットも大きい選手のプレッシャーを感じても決めきる力が必要になってくる。韓国は日本より平均で5センチ以上大きく、実際に対戦している選手は、観てる以上に疲弊していったと感じる。運動量が生命線になる戦い方を進めるためには、全選手に言える事だが、特に田中大貴比江島慎、馬場雄大などの選手が、一試合を通して交代しながら同じレベルの力を発揮し、運動量を落とさずにプレーする事が必要になってくると思う。韓国は、合わせのプレーが上手く、ゴール下の攻防も体格と身体能力の差を感じる事が多かった。こういった相手に勝つためには、なおさら第1ピリオドのように運動量で上回る事が必要なのかもしれない。そういう意味でも、ウルグアイ戦あたりから自覚が芽生えて緊迫した試合で気持ちを前面に出してプレーするようになった張本天傑のような選手がこれからも出てきて、本当の意味で戦える選手の層が厚くなる事が大事になってくる。

この大会は、ワールドカップアジア予選の前哨戦とも言える大会であり、日本としては良い教訓になったと思う。特にフリオ・ラマス監督は就任してすぐの大会であり、選手の特徴やアジアのレベル、公式戦だからこそ見えてくるものがあったのではないだろうか。特に日本人の良さと弱さも感じたのではないかと思う。協調性や規律性は高いが、試合中のイレギュラーな事態に対して、コート上でアジャストする事や、いやらしいプレーを実行する事が不得手とする部分など。この部分は、古川孝敏あたりが担う存在だと思うが、開始早々にバッシュを脱いでいたので、故障だったのかもしれない。

ワールドカップアジア予選までに、フリオ・ラマス監督がどのように日本の選手を見極め、代表に入れてくるのか、また戦術として、どんなチームにしていくのか楽しみである。その間は、Bリーグを観ながら想像していたいと思う。