第13回目・FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区1次予選 vsフィリピン

第13回目。

1試合通して食い入るように観戦した。選手の1プレー1プレーに一喜一憂し、点差が離れれば落ち込み、詰まってくると期待する。そして、最後に84-89で負けという現実を受け止め、と言うかしんどいので受け流し、寝室に向かった。妻も何気に最後までリビングにいて、試合の行方を気にしていたようだった。

フィリピンというバスケットボール大国のスーパースター達を相手に、二万人の満員のアウェーで、生半可な気持ちだと圧倒される雰囲気の中、よくやったと思う。それぐらい代表戦というのがアジアであっても半端無いと思う記憶がある。多分20年以上前、アメリカの大学、UCLAがトビー・ベイリーやオバノン兄弟を有し、スピード感のある強烈にかっこよい時代があった。そして、そのチームは勢いそのままにNCAAトーナメントで全米チャンピオンになった。ファブ・ファイブと言われた全員1年生でNCAAトーナメントを駆け上がったミシガン大学と共に、かっこよくて、かなり印象に残っているチームだった。その時、1年生でUCLAのスタメンをはっていたJ・R・ヘンダーソンがNBAを経て日本リーグのアイシンに加入し、30歳ごろの全盛期に帰化し、日本代表に入ってくれた。アジアでは無双するだろうと思っていた。しかし、オリンピックのアジア予選で、ほとんど活躍出来なかった。それぐらいアジアのセンターは、J・R・ヘンダーソン目線の気持ちになってもパワフルだった。八村塁が高校生の時に、日本代表としてウィリアム・ジョーンズカップに出場した時も、チャイニーズ・タイペイのセンターと比較して線が細く、まったく何もさせてもらえなかったのも覚えてるし、渡邊雄太リオ五輪最終予選でヨーロッパの国と対戦した時も、NCAAでやっているようなプレーが出来ていなかった事も脳裏に残っている。この時、渡邊雄太はイメージしてたよりも強力だったと言うような感想を述べていた。やはり国際試合というのは、国を代表する一握りの選手たちの戦いだし、ヒリヒリするようなプレッシャーがあるのだと認識するようになった。

だから日本代表選手が、フィリピンを相手に、しかもアウェーで、よく戦ったと思っている。でも、こんなにしっかりとバスケの代表戦も観た事がなかったと思うし、代表戦にたくさんの観客が来た事もなったように思うので、この雰囲気がある間にアジアの上位国に勝てるようになってほしいし、現時点でも接戦を演じているので前向きに、敗因を考えたいと思う。

出だしは珍しく良く、10点以上差をつける良い入りだった。しかし、フィリピンがリバウンドで優位に立つと、地力の差が出始め、1クォーター終盤には1点差まで追いつかれる。フィリピンの211センチある元NBA帰化センター、アンドレイ・ブラッチェは腕が長く、竹内譲次とのリバウンド争いで背伸びで取れてしまう場面もあり、ゴール下まで入られるとどうしようも無いという印象だった。なんとかボックスアウトをしてほしいと何度も思ったが、フィリピンのバックコート陣は、積極的にドライブに来るので、どうしても自分のマークマンだけでなく、ヘルプを常に意識しないといけない場面が多く、合わせで崩され、シュートを外してくれてもオフェンスリバウンドを取られる悪循環が続いた。5人全員が互角という状態でないと、ボックスアウトもままならないのかと感じる場面が多かった。日本でフィリピンを唯一翻弄出来るのが比江島慎だった。フェイクの幅が大きく、フィリピンのキーファー・ラヴェンナもしつこくディフェンスするが大きく揺さぶられ、なんじゃこれというような表情を見せていた。比江島慎のフェイントはふり幅が大きく、3つか4つを連続させるので、どこでしかけられるか分かりにくいようだった。国際試合で、あれだけのプレーが出来るのは、やはり凄いと感じる。ただ、そんな選手は今日は比江島慎だけだった。せめて後1人でもいてくれたら、連動性が出てくると思うのだが、難しかった。国際試合では、やはり強気な選手が向いていると感じる。滋賀レイクスターズの並里成のような、多少ディフェンスに目をつぶってもドライブで崩せる選手が必要だと感じる。国際試合では、まさに目の前のディフェンスを自力で抜いて、こじ開けないと何も始まらない印象だ。

あと試合の途中で、日本はセンターを置かない時間帯があったが、あの時間帯は、よりひどかった。何故、そのような布陣にしたのか理解出来なかった。スモールラインナップと言えるほど、速いわけでもロングレンジの確率が良いわけでも無い選手の組み合わせでゴール下が守れなかったら、試合にならない印象だった。もしスモールラインナップにするのなら、フィリピンのセンターをアウトサイドに引き出させる戦術にするべきで、そのためにも相手のセンターにマークされている選手が外から数本決める事が大事になるが、そういった意図も感じられなかった。

何はともあれ、フリースローやリバウンドを後数本成功させていれば勝てるところまでは来ている。アジアであっても国対国の対決は、想像以上の重圧があると思うが、それが選手のレベルを引き上げてくれると思うし、勝った時の喜びは得難いものだと思うので、次のチャイニーズ・タイペイ戦、オーストラリア戦を楽しみにしたい。出来れば、いつか関西で代表戦をやってほしい。その時は、現地で応援したいし、そのためにも2次ラウンドに進んでほしいと願う。