第19回目・ニック・ファジーカス日本国籍取得

第19回目。

ニック・ファジーカスが日本国籍を取得した。このニュースを確認するまで、ニック・ファジーカスの名前は知っていたし、昨シーズンのBリーグ得点王であり、それまでの実業団時代も3シーズン得点王という事も知っていた。昨シーズン、ハンナリーズ相手に余裕あるプレーをされて手玉に取られた事もあり、プレースタイルも何となくイメージは出来た。が、相当上手いが力強さや速さに欠け、ヒザの状態も一見して良くないと感じた事も同時に頭に浮かぶ。ハンナリーズの重戦車であり、若くてパワーもあるジョシュア・スミス相手にどれぐらい出来るのかを知りたいなあとニュースを読んで、ふと思った今日のハンナリーズの対戦相手は、今シーズン初の川崎ブレイブサンダースだった。

試合の最初の得点は、ニック・ファジーカスのスリーだった。210センチの上背だが、3P成功率は40%を常に超えている。試合後のインタビューで言っていたが、ジョシュア・スミスがアウトサイドまでディフェンスに来ない事を情報として持っていたので、一発目にスリーを決めて、オフェンスの駆け引きを始めたようだ。ディフェンスでは、ジョシュア・スミスのパワフルなプレーに対して試合序盤は、やられるがままという印象だった。しかし、これも駆け引きのひとつだったのかもと後から感じる。ポジション取りまでは、かなり嫌がる事をしかけているのだが、ゴール下まで行くとファールをしない。試合後半で、きついファールをゴール下で入れていたので、自身にファールがかさまないよう序盤は調整していたのだと思う。ジョシュア・スミスの気持ちをイライラさせるようディフェンスをするが、分かりやすい場所では手を出さないようにしている。結果的にジョシュア・スミスにテクニカルファールが吹かれるシーンもあり、ファールトラブルに持って行った。リードチェンジが何回もある面白い試合で、下の息子も何度も大声を張り上げて京都を応援していたが、結果的に80-85で敗戦。ニック・ファジーカスの駆け引きが無ければ京都が勝っていてもおかしくなかった。ジョシュア・スミスはそれでも26点を稼いでいるので。チーム全体のリズムを保ちながら、自分の役割をこなす印象で、日本代表にとっても、すぐにフィットして強力な戦力になると感じる。

シュートは、左右どちらからも変則的なフォームで打ってくる。ショットのタイミングも微妙に速い。NBA時代にヒザを怪我したようで、もともと技巧派だったのだが、身体能力に頼らないプレースタイルを練習で確立し、より技術で対応する選手になったんだろうという事がプレーからよく分かる。試合を通して、プレーにムラも無く、淡々と得点を重ねていく印象だ。リバウンドもポジション取りが上手く、跳ばずに取る事も多い。オフェンスリバウンドでも同じで、タップシュートのような形で得点を取っていく。フィールドゴール%も高く、シュートが落ちると、助かったと思えるぐらい落ちない。Bリーグも外国籍選手の枠は元NBAの選手ばかりになってレベルが格段に上がってきているが、変わらず得点を重ねているのは、本人も言っているが技術的に進歩しているからなのだろう。レイカーズから渋谷サンロッカーズに移籍してきたロバート・サクレも、Bリーグで止める事が最も難しい選手と言っている。

日本国籍の取得は誰に言われて訳でもなく、本人が自分で決めたと言っている。フランス、ベルギーでの生活には、あまり良い思いでは無いそうで、最後と思って臨んだフィリピンでバスケの楽しさを思い出す事ができ、欧州と日本の両方でプレーした選手から日本の良さを聞いて、来日したそうだ。日本国籍取得の決め手の一つが、国民のおだやかな性格や東京や川崎という洗練された大都会と答えているので、Bリーグ帰化枠を念頭に、長く日本でプレーする事も視野に入れての判断だったのだと思う。

いずれにせよ、帰化の噂が全くなかったので、そうなんだという印象だったが、ジワジワと日本代表にとって朗報だと感じるようになってきている。