第25回目・渡邊雄太がメンフィスグリズリーズと2ウェイ契約

 第25回目。

渡邊雄太がメンフィスグリズリーズと2年間の2ウェイ契約を結んだ。時を同じくしてナイキとの7年契約も結んでいる。

まだNBAのコートに立てたわけではないので、喜びすぎてもいけないが、サマーリーグで冷静に熱く挑戦している渡邊雄太を見ていると、何とか、どんな形でも良いから契約してほしいと思っていたので、ひとまず良かったと勝手に思っている。

サマーリーグでの渡邊雄太のプレーを見ていて、過去に何度かサマーリーグに挑戦した時の今までの日本人とはあきらかに雰囲気が違うので、その時点で私なんかは軽く感動していたのだが、さらに次のステップである2ウェイ契約に進んでくれた。

今までサマーリーグに挑戦した日本人で田臥勇太富樫勇樹は、ハイライトしか見ていないが、なんとか通用しているなあと感じたが、竹内公輔が参加したサマーリーグは見ていないし、川村卓也は見たが、英語の問題もあってか試合に参加出来ていなかった。言い方は悪いがコミュニケーション不足で土俵に立ててない感があった。そもそもサマーリーグに出場出来るレベルにまで到達した日本人は今まで4人しかいない。そんな諸々の要素込みで規格外のハイレベルな環境で、プレッシャーもかかる中、渡邊雄太は、自身の試合でやりたい事、アピールしたいポイントが見ている側に伝わるレベルでプレーしていた。

伝わってきたひとつは、サマーリーグ特有の個人のアピール重視による、チーム秩序の無さを修正しようと、チームメイトに何度も大声で身振り手振りでコミュニケーションを図り、チームとして戦おうと、リーダーシップを発揮していたところ。もうひとつは、ドラフト上位指名選手などを含む1番からなんとか5番まで、全てのプレイヤーに対してディフェンスができ、リムプロテクトも高いレベルで普通に出来るところ。最後は、キャッチしてからのスリーポイントだけでなく、わずかなズレやドリブルからの体勢が崩れた状態でもスリーポイントが打てて決められるところ。現代NBAで必要と言われている要素を、このレベルでこなすことが出来ますと、アピール出来ていたと思う。サマーリーグで1試合平均9.4点、4.2リバウンド、1.6ブロックを記録し、最後の2試合はスタートで出場している事からも、それは分かる。

サマーリーグ前の段階で、かなりの数のエージェンシーが代理人契約をオファーしてきたとある。実力が全てのプロスポーツの世界で、大量の代理人オファーがある時点で、NBA一歩手前の実力があるという事だと思う。最終的に、私も聞いたことのある世界で5本の指に入るスポーツエージェンシー大手のワッサーマンと契約している。サマーリーグで才能がある事をある程度証明できたので、様々な形のオファーがあった中でメンフィスグリズリーズとの2ウェイ契約したのではと言われている。本当に、今までの日本人バスケットボールプレイヤーとしては考えられない状態なのだが、先のオーストラリア戦の勝利に続き、少しずつ前向きな話が出てきている。

日本で一般的にプロバスケットボールプレイヤーは、今まで誰一人知られていないと言っても過言では無かったが、最近は話の流れで八村塁はバスケに興味が無い人でも、なんとなく知っているというレベルになっていると感じる。オーストラリアに勝利したあたりからニュースで、尺は短いが取り上げられているようで、今回の渡辺雄太の件も少しニュースで取り上げられているようだ。

つい最近、開催されていたU17ワールドカップでのアメリカU17代表の試合を観ていると、そのポテンシャルの高さに気が遠くなりそうだが、そんな中に入っても通用しそうな選手が数名でも出てきているのは凄い事だと感じる。バスケでも少しずつポジティブな感情が自然に芽生えてきているように思う。ただ、それもオーストラリアに勝利し、渡邊雄太が2ウェイ契約を結んだ事で感じているだけで、まだまだはるかに道のりは遠いと思ってしまうおじさんが私なのだが、マインドセットを変えなければならないのかもしれない。