第27回目・FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区2次予選 vsカザフスタン

第27回目。

2018年9月13日にアウェーで、FIBA ワールドカップ 2019 アジア地区の2次予選初戦であるカザフスタン戦があった。

私の知っているカザフスタンに関する情報はゼロ、日本代表にとっては手ごわい相手だろうと勝手に想像していた。対する日本は、ニック・ファジーカスが手術明けの為メンバー外であるが、グリズリーズと2ウェイ契約を結んだ渡邊雄太 とゴンザガ大の八村塁のメンバー入りが発表されており、ニック・ファジーカスがいない点は不安ではあるが、期待が上回っていた。

カザフスタンは1次リーグを、中東アジアの国が中心となるグループの4チーム中2位で通過している。日本はグループ4チーム中3位通過だが、八村塁とニック・ファジーカスがメンバー入りして2勝するまでは全敗だったので、ギリギリのところで3位通過したと言える。ただ、二人が加入してからの2勝の内の1勝は、アジア地区予選最強のオーストラリアからもぎ取ったものだ。そう考えると、二人が加入して一気にアジア最強レベルにまでチーム力が上がったと考えてもおかしくはない。その後のチャイニーズ・タイペイ戦にダブルスコアで勝利している事からも、オーストラリア戦の勝利がフロックではない事が分かる。後は、ニック・ファジーカスがいない部分がどの程度影響するのかという事と、渡邉雄太の加入が、どの程度のプラスになるのかという事が、この試合を観戦する上での興味が引かれる部分になった。ただ、長年の癖で全然楽観視していない自分がおり、一番負け癖がついているのは自分なのでは、とも思いながら、緊張して観始める。

試合開始早々、カザフスタンがホームよろしく、相当強いプレッシャーをかけてきて、代表戦特有の激しい粘着ディフェンスをしかけてくる。カザフスタンの選手はフィジカルが強く、跳躍力もあり、正直、八村塁、渡邉雄太、ニック・ファジーカスがいない時の日本代表であれば、負けていると感じた。Bリーグになってディフェンスの激しさがかなり向上したと感じてはいるが、それでも、あの国際試合特有の球際の激しさは、Bリーグ以上だ。当然、代表戦だからこその激しさではあるが。

ここで渡邉雄太が206センチの長身ながらクロスオーバーからドライブをしかけ高い打点のフックシュート気味のレイアップを決める。そこからバスケットカウントを何本か沈め、日本のペースに戻していく。八村塁もリバウンドにミッドレンジのシュート、ブロックショットにポストプレイからのダンクと高いレベルで安定した力を発揮する。この二人のプレーを見ていると、上手いとか跳躍力があるとかは当然なのだが、非常にタフであり、格闘技の試合のような雰囲気がある。フィジカルなプレーをしかけられても、動じず、むしろ、そうでなければバスケじゃないと言わんばかりの気持ちが見える。上手い選手は日本にもたくさんいるが、国際試合で勝たせられる選手というといない。八村塁や渡邉雄太、ニック・ファジーカスは、勝たせられる選手だと感じる。特に、八村塁は相当にタフになっている。リバウンド、ブロックショット、ジャンパーなどの強度や精度が高く、1試合を通じて相手の脅威となり続ける。渡邉雄太もそうなのだが、2メートルを超える選手の運動量が多いと、オフェンスでもディフェンスでも、相手にとってはボディーブローのように効いてくるのが分かる。渡邉雄太が3番ポジションにいる事の凄さが試合を観ているとよく分かる。手足が長く、逆サイドからでもリムプロテクトに跳べる機動力もあり、カザフスタンが何度も二人からブロックをくらっているのを見ると、今までの日本代表とはレベルが違うなあと感じる。NBAのチームでコーチをしていたチャイニーズ・タイペイのアシスタントコーチが、八村塁とニック・ファジーカスが入る前と後の日本代表では「スワグが違う」とコメントしていたそうだ。スワグとはスラングでオーラみたいな意味のようで、実際に対戦するとより感じるものがあるのだと思う。

フリオ・ラマス監督は、代表監督として、私がとても大切だと考える運のある人かもしれないと思える節がある。それは、不祥事のあったアジア大会に、実質は普段呼ばれていない選手を中心とした代表ではあったが、事前に色々と理由をつけて参加しておらず、矢面に立たずに済んだ事。そして、渡邉雄太、八村塁、ニック・ファジーカスという歴代でもぶっちぎりで強力な選手が同時に3人も現れるタイミングで代表監督に就任している事。ギリギリのタイミングで綱渡りのような予選になっているが、全力で頑張って準備の出来ている人のところに運が向くと言うし、信じて次のイラン戦も期待したい。

イラン戦は、すぐに次の月曜日にやってくる。イランはオーストラリア、ニュージーランドがアジア予選に加入するまでは、中国と共にアジアの覇者として君臨していたチームだ。当然、1次リーグはグループ1位で通過している。八村塁と渡邉雄太は、このイラン戦を最後にアメリカに戻り、以後のアジア地区予選は参加できない可能性が高いと言われている。なんとか勝利してほしいと願う。